ジュリアン有生の「徒然なるページ」

第55回 ジュリアン、占い師までの軌跡

2003年11月2日

 

3章 初めての本格的鑑定を受ける

相変わらず、辛い辛いの連続で、日々を重ね、私は死に切れないまま高校生になっていた。

2年生の時、友人に「占いに行きたいから一緒に行こう」と誘われた。

占いは幼い頃から好きで、小学3年の時、初めてタロットカードを買い、ひそかに自分一人で色々占っては、添付の教科書の意味を読んでいた。

友人とその「占い館」へ行くと、休日のせいもあってか、相当混んでいた。

1時間近く待ってようやく友人の番がきた。私は当初は鑑定してもらうつもりは無かったけれど、友人が鑑定に入ってすぐに、「次の方、どうぞ〜」という声が奥から聞こえた。

待つのがもうだるかったので、観てもらう事にした。

「今日は、何を観ましょう?」と言われ、「不幸感」から脱出できなかった私は高校生だった当時も、それなりに悩みを抱え、自殺願望はちっとも変わらなかったが、初めて会った占い師さんに「どうして私は不幸なのですか?」とも聞けるワケがない。

取り合えずは片想いの人とのこれからを観てもらうことにした。

占い師さんは、色々とああなるとかこうなるとか私に告げた。

「そうですか」。大人びた口調で聞きながらも、当たるか当たらないかよりも、その結果の意外性に驚いた。

「この人とは、好き同士でも付き合えないままでしょうね。でもね、あなたもうすぐ男性ばっかりが大勢いて女性がほんの少ししかいない所へいきますよ。そこであなたは相当モテますよ。そしてそこでとってもいい人が出てくるわ。若々しい感じの人よ」

これから先のどんな良い事を言われても、その時好きだった人と付き合えないと言われた事がショックだった事とあまりにも思い掛けない事を言われたので、「きっと当たらないわ」取り合えずその時点ではそう思った。

そして2年後、私は大学生になっていた。私が通っていた大学のその学部は、1学年に700人程の学生がおり、その中で女子は20名程だった。そして、私は、その大学へ入学したその年に、「恋愛の赤い糸」で結ばれた、いや、「恋愛の赤い糸」でしか結ばれていなかった男性と出会ったのだった。

まさに、あの時の占い通りの展開になっている自分の人生に、不思議という言葉では表現しきれない、驚きと、またその「占い」というもの自体に対して深い感銘を受け、どうしようもなくそれを学びたいという好奇心と衝動に駆り立てられた。

その時私は思ったのだ。

「占いなら、あの時のあの占い師さんが使っていた技法を学んだら、私の不幸の原因が探れるかもしれない。どうして私に不幸が襲ってくるのか、その原因が解明できれば、不幸が襲ってこないような人生を見つけられるかもしれない」

それから、私は占星術とタロットの本を買いあさった。

そして、自分のチャートを描き、その解説を読んで愕然としてしまった。

「グランドクロス・・・それはもっとも不幸な天体配置」

と書かれてあった。しかも、グランドクロスの一角を担う部分はステリウム(星の集合体)になっており、4つの惑星で形成されても四面楚歌と言われるグランドクロスなのに、私のグランドクロスには「逃げ道」は残されていなかった。

ソフトアスペクトはピンク、ハードアスペクトは青のマーカーで表を埋めると、青ばかりだった。

私は、勿論、これまで書いてきた通り「不幸感」に苛まれて生きてきた。そして、チャートの結果に「不幸の相」が出ていた事が判明して、改めてその事(不幸という事)でショックを受けたのも言うまでも無いが、それだけではなく、「やっぱり!」という占星術における不幸の裏づけが取れた事の方が私には大きな驚きだった。占星術によって、私の不幸感は、私の勝手な思い込みでないことが証明されたのだ。

それまで私がどんなに生きているのが辛いと訴えても、大概の大人は「あなただけじゃないわ。人生なんてね皆辛いものなのよ」そんな風なお説教じみた言葉しか返ってこなかった。

けれど私は「違う!私の人生は、他の人とは絶対に違う。不幸すぎる。絶対何かが違うはずだ」そう感じ続けてきた。それがその時、占星術によって証明されたのだ。

私はいっきに占星術の虜になった。

私はグランドクロスを持っていなかったら「占い師」にはなっていなかっただろう。

全ては、このグランドクロスによって引き起こされ、翻弄され、導かれ、今に至ったのだ。

しかしグランドクロスが原因であったとしても、今、「占い師」になって仕事をしている事が不幸だとは感じていない。あくまで、占い師になった原因がグランドクロスという事なだけである。

今、私はグランドクロスを好きか、嫌いかと問われれば、やはり無いに越したことは無い、と答えるだろう。だけど、その操縦法をこれからも研究し続けたら、もっともっとおばちゃんになった暁には、「お陰様で充実した良い人生が送れました」とお星様に感謝しながらあの世へ旅立てるのかも知れない、等と思いながら占い稼業に励んでいるのです。

 

 

あとがき

 

この「徒然なるページ」で、「私」が自分の事を「私」と書いたのは初めての事だ。これまでは、ずっと自分の事を「ジュリアン」と書いてきた。それはなぜなのか?

それは、私は自分のチャートの中に、一筋の生きる希望を見つけた。ハードアスペクトで傷つき過ぎている私のチャートなのに、太陽と金星は傷がなかったのだ。

太陽、表の顔。つまり「ジュリアン有生」は「私」の表の顔なのだ。

傷の無い天体で、生きていきたい。そんな思いから、「私」はあえてここで自分を「私」と表現せず「ジュリアン」と表現してきたのだ。

今回は、例外的に「私」で表現している、いや、今回のテーマが「私」でなければ書けないテーマだったから、「私」として書いた。

次回から「私」は、また「ジュリアン」に戻り、光り輝きながら前向きに生きていきたい、とそう思うのです。

 

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