ジュリアン有生の「徒然なるページ」

2003年1月13日

第46回 ご近所づきあい

 

ジュリアンの苦手なものの中に、「ご近所づきあい」がある。

今はマンション暮らしなので、ご近所づきあいは殆ど全くない。が、実家も一戸建てだし、結婚後新婚生活をスタートさせたのも一戸建てだった。なので、ご近所づきあいは免れなかった。

何がイヤかというと、どこで暮らしても必ずご近所に1軒くらいは「アンテナ」を張っているおばちゃんがいる。歩いているだけで
「どこいくの?」(私の勝手でしょ!)
「最近お母さんお見かけしないけど、ご病気?」(あんたに出くわしたくないのよ!)
「最近少し太ったんじゃない?」(それはお宅の娘さんよ!)
「今日は遅いお帰りね」(だって彼氏がいるんだもん!)等々。

「こんにちは」では、すましてもらえない人が必ずいる。

ジュリアンは、その手のおばちゃんが大の苦手なのだ。

実家の近所にそれはそれは、すさまじくアンテナを張っているおばちゃんがいて、そのおばちゃんのアンテナの張り具合は、不快感甚だしい時もあった。

何度かそのアンテナの張り具合に驚かされたことがあったが、例えばある日よっちゃんと道で出くわし、こう言ってきた。「こないだ窓からお宅がお米を配達して貰っているのを見て、そのお米屋さんが帰るのを呼び止めて『あそこのお家(ジュリアンの実家)に今配達したのと同じお米を持ってきてちょうだい』って頼んだの。食べてみたわ。お宅と同じお米。まあまあだったわね。あの位のお米なら、スーパーへ行けばもっと安く売ってるわよ」

・・ ・・・ 返す言葉が見つからない。。。

良かれと思って向こうは言っているのかも知れないが、お米屋さんを呼び止めて「同じお米を」というあたりは、ストーカーチックにさえ感じられる。

新婚当時に住んでいた所では、ジュリアンがスーパーで買い物をしていると
「ヒマそうねぇ」。(主婦がスーパーに行って、なんで「ヒマ」なのよ!)
道を歩いていると「時間がたっぷりありそうねぇ」。(自転車使えなくされてたんだから、歩くしかないじゃない!)
バス停に立っていると「あら、お出かけ?優雅でいいわねぇ」。(生きてりゃ町内から出ることだってたまにはあるわよ!)
等々、数え上げたらキリがない。

ジュリアンにしてみれば、こういった類のおばちゃん達こそ優雅なヒマ人に思えてならない。

いつも実際には忙しいので、「はぁはぁ」と適当に苦笑してやり過ごすワケなのだが、こういったおばちゃんに連日で出くわしてしまうと、外出するのがおっくうになってしまう。

今、マンション暮らしになり、最高に開放感を味わっているジュリアンなのだが、やはり一長一短。

マンション暮らしにもそれなりの「落とし穴」があった。

まず、なぜか我が家の真上に住んでいるお宅は晴れた日には必ずと言っていいほど布団をベランダに干す。そして、その布団がロングサイズなのか、下の方15センチくらいが必ず、ジュリアン家のベランダからぶら下がっているのが見えるのである。これがめちゃくちゃうっとおしいのである。そもそも、ジュリアンはマンションの壁は排気ガスなどで相当汚れているというイメージがあるので、そこに直接布団を干す気になれない。まぁ、よそ様のことだから別にかまわないのであるが、晴れた日には必ず布団を干すほど布団の湿気が気になる人なら、どうして壁の汚れが気にならないのだろうと不思議でならない。

もう一つあった「落とし穴」は、ペットは飼ってはいけないこのマンションで、犬の「パグ」を飼っている人がいるのだ。それだけでもけしからんのに、管理人さんの帰ったあとにその犬を散歩に連れていっており、散歩帰りにエレベーター内でおしっこをさせるのである。当然エレベーター内は、臭くて臭くて乗れやしない。管理人さんが張り紙を出しても<屁のカッパ>で、とうとうエレベーター内のクロスを張り替えるに至った。ジュリアン家も含めかわいそうな他の住民達。。。自分さえよければ、という考えの人はマンション暮らしは不向きだと思う。

一戸建てに住んでも、マンションに住んでも、狭い住宅事情の日本では、一長一短、色々あるものなのね。

あぁ、だけどだけど、住環境には比較的拘ってしまうジュリアンは、いつか、いつの日か、うざったいご近所づきあいもなく、マンションでもない心地よい暮らしを夢見てしまうのである。

しかし、電車に乗るのもきちんと並ばない大阪では、心地よい環境というものは手に入らないのかも知れないわね。

 

 

 

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