ジュリアン有生の「徒然なるページ」

5月10日

 

第29回  世の中、おかしい!(とんだダイビングツアー編)

 

ジュリアンは、ダーリンがダイビングをしないので結婚後はご無沙汰になっているが、独身時代はダイビングが大好きだった。

いつも寒いジュリアンのお財布では、週末行ける所と言えば、和歌山県の串本界隈だった。そこのダイビングサービスで西田ひかるちゃんのダイビングに来た姿の写真が飾ってあったので、その写真はとてもジュリアンの心の慰めになった。

そんなジュリアンも時には奮発して海外へ出た。

フィジー、あぁダイバー憧れの島!!るんるん気分で行く予定だったが、直前に例の阪神大震災が起こったため、ツアーの人数は、お客さん2名とスタッフ3名という何とも小ぢんまりしたツアーになってしまった。

英会話が「ホンマに習っとったんかいな?」と言われるほど不得手なジュリアンは、向こうのホテルの従業員で2メートルくらいの背丈の黒人さんに、何を聞かれても「セブンデイズ」としか答えられず、せっかく楽しい陽気な会話で旅を盛り上げてくれようとしたその人も、呆れて諦めてしまった。

でも、そのツアーは楽しかった。ある事が露見する直前までは・・・

ジュリアンともう1人の女性客の部屋は、窓からはジャングルしか見えず、お風呂場の水道の蛇口はユラユラで、水やお湯もちょろちょろとしか出なかった。

南の国ってこんなものなのかしら?と思いその部屋で過ごし続けた事6日、とうとう最終日が来た。明日は帰り支度のみの日である。ジュリアンが部屋で水着に着替えていると、もう随分慣れ親しんで仲良くなっていた同室の子が「ちょっとー!!」と言いながら入ってきた。

「ちょっとすごいヒドイねんでー!今、前の部屋のスタッフルームに行ったら、向こうは海の見える部屋で、お水なんかもすごい出るねんでー!!」

二人で急いでもう一度その部屋へ行った。スタッフの女性二人が使っていたその部屋は確かにその通りだった。本当はその部屋がお客様用に取ってあった部屋だった事は言うまでもない。ジュリアン達がムッとしていると、女性スタッフ達は開き直って「嫌やったら、部屋、代わってあげよか?」

こんな対応って、有り?

明日の荷物整理だけが残っただけという日まできて、そう言われても荷物を移動させるだけで大事である。何しろダイビング機材を日本から持って行っているのだから。ジュリアン達は、諦めた。その夜のちょろちょろ水のシャワーは、前日までのそれよりさらに惨めな出方に感じられた。

ダイビングショップの経費で同行してきたスタッフが、客用の部屋を使うなんて、最低!!旅費を返してもらいたい心境になったが、あまりに呆れて、もうそれも諦めた。そして、心に決めた!

もう2度とここのツアーは使わないって!!

帰り支度を済ませ、ホテルのフロントに行ったら、係の女性が「タノシカッタデスカ?」と日本語で聞いてきた。
答えようのない質問の時だけ、どうして日本語なのぉ?


世の中おかしい!

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